逆さに咲いた草色の花/ローザ
私は 自分が存在する理由が分からない。
花びらにしたって、他の花の方が鮮やか。
葉の色と 花びらの色の区別がつかないなんて、みっともないし。
古びたベランダの天井から生えたから、まるでお日様を見ることができない。
精一杯 頭を伸ばすのだけれど、身体が醜く歪んでいくだけ。
私が花として在る意味はなに?
ある日、嘆く私に神様が言った。
「君は他の誰とも違う。だからこそ尊い」 と。
でも、どうせなら、
「 私の好みの形に造ったのだ 」と。
「 他の誰に奇形と謂われようと、お前は私からの寵愛だけを信じていればいい 」と。
一言、言ってくれたならよかったのに。
せめて、[ 奇形で幸福な花 ]として枯れたかった。
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