うたた寝/アハウ
木枯らし騒ぐ 窓
カーテンに木々の影 映りざわめく
暖かな部屋
電気ストーブが赤い
鎮まる物らに囲まれて
空気が眠る
旭日射す
「山遠く銀嶺の風吹く街に」
立山連峰を見晴らす街
青く遠のく山体 眠り
無言の銀嶺 紫に輝き
圧倒的な存在を知らしめる 連山
静かに山麓の都市を包み込む
アーケードの下に商店が並び
電飾に飾られ雑踏が絶えず流ている
車道から曇天の空見上げれば雪の降る
そこに乞食のような格好をして
長い杖を持ち
歩む
我
憧がるる霊 漂泊の魂
まるで仙道の導師のように飛んでゆく
暖かな炬燵でうたた寝の瞬時
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