百鬼夜行詩 <5>/nonya
枕返し
枕は魂を夢の入り江へ運ぶ舟
夢と現の狭間に横たわる
とろんとした浅瀬を行き来する
僕は腕利きの一等航海士
大抵の鼾や歯軋りには動じないけれど
獏の襲来にはかなり手を焼いている
今日もまたひとり現に帰し損ねた
小豆とぎ
甘ったるいだけのラヴソングに
かき消されるオレのZAKZAK
耳の裏がむず痒くなるような台詞に
押し退けられるオレのZAKZAK
闇の音はもう人の耳には届かないから
ZAKZAKがZOKZOKに変わるなんて
小豆の一粒ほどもありゃしない
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