レイト/フユナ
 





春を待たずに旅にでたいよ

根雪が薄い足をつつむうち

花の気配に気付かぬように

ぬきあしであの国道にでるよ


  君の石が転がってるよ

  黒く濡れた鉄鉱石のような

  それが真夜中転がってるよ


どこに行こうか問うのは

もう春でいいよ

風がまだ吹かぬうち

ひとつその石つかんでこうよ

たくしていくのは ふるえだけで

のぞんでいくのも ふるえだけで








戻る   Point(1)