林道の彼方へ /服部 剛
 
へって行った 
山の麓のさびしい村の 
しづまりかへった 
昼下がりの林道を・・・} 

 軽井沢の風景の中 
 肩を並べて歩く 
 在りし日の二人の後ろ姿は 
 背の高い林道の向こうへ 
 姿を消した 

 「立原道造と堀辰雄」 
 の図録をぱたんと閉じて 
 手では触れ得ぬ友情が 
 詰めこまれたその本を 
 思わず僕は、抱き締めた。 



   ※ 六連目は、立原道造の詩の引用です。 




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