雨の国/
ローザ
昼過ぎ
しっとり
水気のある
部屋に散らばった紙の感触
窓の外は
濃い緑さえもぼかす
真雨の国
タチアオイは
潤った その花弁を
桃色の羽根を広げた花弁を
そぼ濡らし
桃のしずくを滴らせ
哀 を語る
白く
霧雨に分け隔たれた山々は
別の国や
別の世界へと
誘おうとさえ見える
私は
その世界こそを
願ってやまない
私は
神隠しのような潔さを求め
その白に身を委ねることを
夢みるのだけれど
屋根を不規則に叩く
粒の音
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