受光/ホロウ・シカエルボク
 


水晶が騒ぐような
本当の冬の光
クィーンメリーが跳ね返す朝
トーストの上のシロップ

音楽が消えた劇場のような、ただ空間する日常
ドニ・ラヴァンが手のひらを撃ち抜くシーンを
目の玉を裏返しにしたような気分で見ていた

愛している、と
しゃれこうべの絵葉書に書いてよこした
数年前の恋人のよそいきな文字
ていのいいダイエットを
いつも敢行していた女
すり減るだけの日々が
もたらした結果だとでも、言うつもりなのか

あやふやな存在のように、光の中に溶けてゆく粉雪、名も知らぬ窓辺の残された花は
たいしてかまってやらないのに毎年ささやかな花を咲かせる

あの時
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