アマヤドリ/
アズアミ
しとしと雨が降る日には
なんだか耳が遠のいて
クツノウラの世界へ行けそうだ。
狭くなった世界の
はずれにあったベンチに腰掛け
雨が降らないこの場所で
夢のカケラをひとりつまみ食い。
休憩ばかりしている僕は
果たしてウサギに追いつけるだろうか。
「空っぽのお前じゃ追いつけやしないさ。」
いや、僕にはとっておきの秘策があるんだ。
「それなら見せてみろよ。」
いいよ、
この雨が止んだらね。
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