(未題)/やなし
 
ひきしぼり
やがて放たれることをのぞみ
縛り首のタラップ

ある日きみをおもう

やわらかな卵黄が
ひとかけの情け無く
つつんでいる

ああこの息苦しさ


扇に向けて弦弾かれし矢は
扉を叩き彼の元に帰るだろう

髪を鋤くその手は
やがて黒い石となるだろう

猿たちは喜んで穴を掘る
それは許されている
官吏のいない絞首台で
僕はうなじを気にしていた
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