それが蛍というのなら/AB(なかほど)
それを蛍という人達が
優しい微笑で
小鳥をつつむように
佇んでいる
その声が
空に飛んでいくように
雨が降ることを
雪になることを
そういえば君は
星になる
と言ったかもしれない
そんな事とはおおよそ
関係のないところで
涙が流れていることも
それが蛍というのなら
どんなにか幸せな人達なのだ
とも思うのだが
生身の僕は無粋に立ち止まって
考えてみようと思う
それは確かに
儚いものだが
そんなにきれいに
消えてしまうものでも
ない
戻る 編 削 Point(5)