大晦日の或る晩、時の変性について/ゼロスケ
 
性はまだ存在する

コップの中の水は私を動かすために
その身をささげたのだ、と情熱的に説明することもできた
ただしこの場所に
語り聞かせる他人は居ない。

時計の針は動き続けている
私は利き手を動かしたので
部屋は静止へ留まることができなかった。
とはいえ、机は割れなかったし
椅子は踊りださなかったのだが
それでも確かに動き始めたのだ
もはや止まることはない。

時計の針は動き続け
ついに0時0分を指した。23時59分は見えなくなった。
私は証言する、年月は移ろった
これはひとつの証明である


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