/佐藤犀星
 


外の風はまるで日常を祝福しているようだった。全てのものに感謝しようという気持ちになれた。
そういえば高校のころ、銀河を英語で何というかと聞かれてギャランドゥーと答えてしまった苦い思い出がある。英語の教師、坂崎洋二先生は今、38歳のはずである。やつは元気だろうか。
などと考えていたら学校に遅刻しそうになった。覚えていやがれギャランドゥー坂崎。貴様との勝負はこれからなんだぜ?
とかなんとか思っていたら、雨が降ってきた。

礼は要らないぜといって坂崎は傘を貸してくれたっけ。でも領収書も入っていたっけ。

そして私は風になった。




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