青の飛翔/アングラ少女
青銅の獅子が土砂に浚われる
日没、架橋のしたの渦のちかく
掘削されてまもない暗い洞穴に
青黴の麺麭のかけらを投げいれ
反響する木管楽器の透明な鼻息をきく
いっさいはみだらな情欲のうちにおこなわれ
神経質なとしつきの鏡がつぎつぎに割られていく
万年の挽歌の復唱に富む色彩が奪われる
万国の随時滅亡する風景を装填する
固めた蝋虫の涙のたくらみがつつぬけになる
緋色のからすが彫琢された凍る墓標のまえに
あるいは房総の女の裸の死屍が吊るされた
毳たつ縄の腐臭する林立におかれたように
嗤った、と
幾何学的にちぎった麺麭を抛る
洞穴の眠りの弛緩した襷が半壊の翼をはやし
いよいよ
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