消しゴムを忘れた日の歌/千月 話子
 
からピンクの可愛い四角い消しゴム
微かに苺パフェの匂いがした
これあげる とあやかちゃん
学校一の優しい子
君は僕の戦隊ピンク
ぎゅっとしてチュっとしたいけど
うんと頷いた 下向いたままで


50+50=100
答えを書いた途端
僕の答案用紙から数字が飛んで行った
100%の気持ちが
黒板にぶつかって
もうすぐ君の耳元へ到着するよ


笑ったんだ 何故だか君が
くすぐったそうに ふふふ
ピンクの消しゴム握り締めて
100点の答案用紙 明日見せるよ
きっと そっと


帰り道 お巡りさんが手を振って
向日葵がお辞儀して
スズメが電線に並んでて

[次のページ]
戻る   Point(7)