ヨルノマドニ/たりぽん(大理 奔)
そらを切り取る限界線
雲のはじまりとおわり
みえていることだけが
ほんとうのように
ほんとうのような青空
バックライトで透過され
綺麗なレースがひかれ
いくつもの鍵で守られ
夜に自分を映すのです
夜は世界の野生
真昼だと思っている場所は
ただ太陽が照らしていて
ことばは満ちています
夕方にも朝にも満ちています
夜のように満ちています
そして窓を持ち運ぶひとをみるのです
境界の名前はなんでしょう
言葉を切り取る限界線
なにかの始まりと終わり
知らないことに怯え
知ることに怯え
夜のように
限りない夜のように
言葉はさざめいています
ひかりをうらむでしょう
すべての輪郭をあばくから
窓を捨てようとします
そうすれば
はだかになるように
すきとおる世界が
やはり夜だといえるでしょうか
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