直線の声を聴く/バンブーブンバ
縮尺と知覚の産物。つまり幻想だったということ。全ては直線だ、とも、そうではない、ともいえる。別に驚くことではない。等身大の手頃な直線がここにある。メード・イン・ジャーマニー。ステッドラーのシャープペンシル。アルミ製。アルミボディであることへの選択が肉体との隔たりを切望していたことになるのかどうか。あまり、思い出せそうにない。ただ、そうした界面での癒着のないところで、時間を飲み込んでしまった自分を見てみたかったのかもしれない。進化。よそう。老化のひとつ。その方が救われる。程よい重量は、指先から手のひら、二の腕に至るまでシンプルかつ軽度な支配を提供する。重量はもちろん固有値だということだ。つまり、そう
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