不可視光線/ローザ
 
あまりにも物悲しいな、 と思いました。



すすきが潤いのない身を擦らせて嘆いております。
彼らはあんなに集っているのに 何を嘆くのでしょう。
あんなに柔らかな太陽の枯れ色を身に纏って 何を嘆くのでしょう。


その脇をゆるゆると穏やかに流れる 川は


青緑や
灰色や
クロムグリーン
エメラルドグリーンに ぴかぴかと鱗を輝かせ
S字にその身をくねらせ
暖かな陽や 
川べりを埋める砂利と
冬の日中の凛としていて やわらかい空気と
ささやかに その運動を
彼らの日々を
戯れで片付けられぬ動作を続けているのに


それらを囲う 空は


指です
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