君の背中に追いつかない/秋桜優紀
 
な字でこう書かれていたのだ。
『ついに千羽!これができたら、絶対にお姉ちゃんも元気になれる。だって、最強の千羽づるだし、前向いてるしな。そんで、元気になったお姉ちゃんと一緒に、思いっきりおにごっこがしたい。あちこち走り回って、汗だくになってさ。ま、絶対捕まらないけどね。
それと、神様へ。お姉ちゃんは苦しくても、生きたいってがんばってるんだぞ。そんなお姉ちゃんを連れてくな、バカ!狭いところにこんだけ書いたんだから、絶対かなえろ』
 私はペンで一言付け加えてから、それを半分に折った。もう一度開いたとき、私の中に、悠人が死んでから初めての強い感情が芽生えていくのを感じた。
 生きたい。私はまだ、
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