白/
木立 悟
原より白く
街が燃える
影も熱も人も空も
見えない波に流れ出す
曇の胸が
樹や家に添う
高鳴りが
さらにさらに遠くを照らす
ちからの反対へ滴は落ちる
頭うなじ肩胸指さき
羽に埋もれ 羽に埋もれ
羽に埋もれ羽に飛び去る
雨のほうへ浮き上がり
雨のほうへ傾いてゆく
光もはざまも
音に満ちる
雪つぶやいて
耳とおりすぎ
街もえつきて
海おしだまる
土は揺れ
水はめぐる
空の洞に
熱は熱の絵を描く
病んでは治り
冬うつす肌
原は海の 羽は熱の
白を見つめる
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