レール/短角牛
 
札幌の地下鉄にはレールが無い

だってタイヤで走ってるからね

大人の事情はさておいて

曲がろうと思えば曲がれるんだろう(たぶん)

でもレールが無くたって

彼に自由は無いのさ

決められた時間に

決められた場所に

そうなってるのだ



恋人達は

猛スピードですれ違いながら

あるいは偶然にも停車しながら

愛し合うことを我慢して

夜の車庫に思いを馳せる



ちょっとした自由の中で

交わらない道路に挟まれたホームは

+αの熱気に包まれて。
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