あふれてありふれるべきもの/海里
かつて
「不幸の手紙」チェーンの途中に
ちょっと独特の
クセ字を書く人がいたらしくて
書き写されるうちに
不幸の「不」の字は「木」ヘンになり
不幸の「幸」はツクリの「奉」になり
いつのまにか
「棒の手紙」が出まわっていたことがあったらしい
「この手紙を
××人の人に書き写して送らないと
あなたの処に
×××人分の棒がやってきます。」
惜しくも
棒の手紙はそれ以上
また別の手紙に進化を遂げたりはしなかったらしいが
棒には
会ってみたかった気がする
いきなりたこなぐりされたら困るけど
そうでないなら
棒の皆さん、こんにちは、と
おうわさはかねがね、と
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