芸能人がやってきた/span
あの日僕らの町に芸能人がやってきて
君のこころが奪われしまうんじゃないかと僕はすごく心配だったんだ
僕はそいつをすごくうらんだんだ
それは林間学校のキャンプファイヤーで
炎に照らされたオレンジ色の君の横顔を
遠くから見ながらなんにもできなかったときと似ていて
僕にはほんとにどうすればいいかわからなくて
此処から一瞬でも早く立ち去りたいのと
僕が立ち去ってしまっている間に君が
君の心があいつに奪われてしまうんじゃないか
君の心に今僕は全くいない
子どものような心で
子どものような心で僕は憤慨して全てをもう全てをひっくり返したかったけど
僕は
僕はそこにじっとしているしかなかったっていうんだ
しかしそれは
なぜだかそれは
とてもうっとりするような時間で
あの頃僕らキャンプファイヤーの炎を見つめるしかできなかったように
僕は皆と同じ気持ちでステージを見ながら黙ってうっとりするしかなかったんだ
これが青春の始まり
いまだロングランを続けている
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