空をゆく の/
紫野
翼を張ってゆくものよ
あたたかな地に
まひるの陽に
なびく
しなやかな草たちに
昼から夜、夜明けから夕べへと
金色の弦が鳴る
翼は 風を抱く
ひとすじひとすじの
ひかりの糸を
加速して 加速して
成層圏をぬけ
やがて遠々と
音無き炎を白く放つ 太陽
眼を閉じて なお 見る
意識の
その向こう
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