狂えないというゴキゲンな現象の中で俺は歯ぎしりをする、そしてそれはお前だって同じだ/ホロウ・シカエルボク
 





お前の奥底で悲鳴を上げたおぞましい感覚の吹きだまり、沸き立つマイナスの腐臭を浴びながら幾時間が過ぎただろう…お前は歯の裏にこびりついた、些細な食物のかすのことばかり気にしてすべてのことに気付けなかった、動脈を彷徨う血液の赤味が変色して…お前の細胞は暗闇のような空気を孕んで無様にひび割れた、秘密裏に執り行われる不具者の葬列だ、棺を担いだ小さな一群がゴルゴダに届かない陳腐な丘を目指すとき、陰鬱な明け方を描く空には降る気の無い雨を含んだ雷雲がある…もはや未来を見ることに疲れた予言者がそいつに語りかける、含まれたままの水の気持を…雷雲は己が身体の切れ目を歯を剥いて笑う悪魔のように見せつ
[次のページ]
戻る   Point(2)