創書日和【鏡】雨の窓/大村 浩一
 
見知らぬ男が映っている
頬杖をついて
眉を動かせばそれを真似る


雨が真横に流れていく
薄暗い壁紙の町
今は車内の方が明るい
どちらにせよ寒い


短慮な決着をつけてきた
悪い結果の方に
壁紙の街は素通り
彼こそが透明になってすり抜ける
元町と新町だけを知っている
そこから来て
そこへ帰っていく


彼がNewsを眺める
ヘッドラインが流れていく
どこかのmonitorではそれは雨だ
真横に流れる


見知らぬ男が映っている
(内実ハ、映ラナイカ)


2008/12/27
大村浩一
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