不安な航海/kauzak
 
を漂うことはできるらしい

それをいいことに
流された先に何が待っているのか誰も説明しようとせず
操舵室内の主導権の行方ばかりを気にしているようで

操舵室に入る権限がない僕らが客室内で願うのは
この時化の中を冷静/安全に操舵してもらうことしかなく
この客船を操る船員が誰かなんて彼らが思うほど重要じゃない

このせめてもの願いすら叶わぬこの航海
軋む音が大きくなった気がするのは思い過ごしか
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