ドライブインの上から/K.SATO
れてみる チャリン もう、金ないな
キラキラだったのだろう かつての投入口が
指先に 銀色ではなく茶と黒、赤の粉に錆び
緑に思わずぬぐってた 油でもなく流していた
ふぁ〜
縦や横に動かすたびに現れる 緑や茶
さらに 白のたぐいが斜めにも
吐き気がしてきた 僕が筒を覗くと 暗闇の、円の中で
緑の木、茶の幹、建物が白く見える
ああ じべたの土か、あるいは道路か、観測機械かと
目眩がする
止まぬ風の中、
僕は 乾いた唇でベンチに腰を下ろしていた
タバコに火をつけると
タールの匂いの中に日常が蘇る
景観が暮れ始かけはじめていた
デスクのざわめき 遠くのクラクション
ぼんやりと目を閉じた
自販機に囲まれた オフィスの休憩室だった
胃液がしみ出していた
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