瓦礫の上で行くあての無い祈りが始まる/ホロウ・シカエルボク
 
の窓から見つめている子供の目がある、それが生きているものの目つきだとはどうしても思えず、痛みをこらえながらそのぼんやりとした光の中を覗きこんだ、アジテイターは役目が終わったみたいにじっとしてこちらをただ眺めていた、窓越しの子供の目に似ていたが、決定的に違うところがあった、生を知っている目つきと死しか判らなくなった目つき、生と死のふたつの概念に俺は見張られていた、命は、どこへ流れてゆくのだろうと結論を先送りにするように俺は考えた、それは決して俺が知りたいと願っていたような事柄ではなかったのだけれど
闇にまどろむような意識が見せる景色は深海に潜り込んだかのような孤独だ、そんな孤独を享受してしまっては
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