腐りかけのBanana/板谷みきょう
 
味も判らない 色の思い出したくない
僕の身体が昔より 元気になったからなのか
枕元にあった 初めて見た黄色いBanana 
正月の喜びと 帰ってきた親父の笑顔

出稼ぎに父さんたち 土産に買った 
店を探していた 故里で待つ家族へ 
飾られた売り口上に 押し寄せる人波 
本当の旨さ 思い出すよ 腐りかけのBanana

いつも聞こえてた 熱で咳も止まらず寝てた 
窓越しに町を見たら 微かに声 聞こえてきた 
Bananaは知っていた ボクが病気と遠足に 
皮剥き食べる喜び 優しい母が手招いた

華やいだ祭りの中 騒がしい人垣に 
指を咥えて
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