ひなたへ/長谷川智子
 
を安らかに据えられもしないまま
黒い輪、濁ってて触りたくないほど汚れている
眉をしかめる
ぎこちなすぎて身動きが取れない
分解したさとそのでき無さにもがき続ける
傍から見てもみっともなくてみすぼらしくて
イヤな熱気をさらしていた
思い出されるうつろな不安
いや、細い糸をより集めただけで弱っちい何か
そこから心は育たなかった

やがてその輪は弾力も勢いも失くして
自転車のタイヤのチューブがへたるその感触を覚える


すれた眼をそこどこかしこに向けてはすねる日々
乱れることもままならない
とてつもなくもどかしさもてあます
「キラワレル」がからみつきとらわれていく日々
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