星と少女/
寅午
母親の帰りがおそい夜、
少女は窓辺により、布団のなかから星をながめる
星を見ていると、自分の気持ちと向き合えた
なぜだか、星が
悲しそうに泣いているように思えるときがある
彼女は星座の名前をしらない
でも、ときどき星の詩をかく
きょうも、星をみつめ、帰りのおそい母親の詩をかいた
ちょっぴり、母親への不満の気持ちをこめて
いつしか彼女はねむってしまった
窓辺を通りかかった夜更けの月が
そっと彼女の黒髪に触れたことも知らずに
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