夜明け前/くろね
 
溜め息が黒くなるほど
吸い過ぎた夜の霧
額から抜け出る空虚は
僕の全てな気がして泣けた

空を等しく分けようとして
失った自分の足元
音も立てずにそろりそろり
世界が通り過ぎていく

傾いた視線で何処を向けば
失われた声で何に祈れば
新しい光を見られるだろう

これが最後の溜め息
もうこれ以上何も出ない

これが最後の夜明け前
世界はもう満たされていて
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