降り来る言葉 XXXVIIII/
木立 悟
照りを冷まし
吹雪に指を失いながら
けだものを抱くけだものの
氷の虹を聴いている
穴のあいた音から来る
小さな赤ら顔の痛みが
冬の門を作りつづける
ただ黙々と作りつづける
夜の受け皿
しずく切るしずく
またたきの向こうに
燃える氷
雪が見送る雪
さまざまな軽さの毒と
まとう色とに傷つきながら
冬は冬に寄りそいつづける
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