降り来る言葉 XXXVIIII/木立 悟
窓 雪音
指 しずく
たどるままに
ころがる闇
水と光と
骨の轍が丘をめぐる
わずかな冬のはらわたを
苦く苦く抱きとめている
半ば沈んだ
舟の見る夢
遠い町より
遠い人の背
水の地に落ち
流れつづける
岩の指の指す
無数の方角
何処へゆく
何処へもゆける
喉を立ちのぼる
星の行方
感傷や笑みでは
溶けない氷が河口を埋める
雷と雨が
季節を増やしまた削る
光沢 大陸 海流
かたちを持たないざわめきと
無数のかたちのざわめきの
はざまに生まれつづける星
夜の色に火照り
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