そして枯れた花を/ホロウ・シカエルボク
 






寂れた湖畔の
倒壊したコテージの物陰でぼくは死んでいる
キッチンから
浴室へ続く
通路があったあたり
サギのように伸びて
ぼくは
死んでいる


空を突き刺すような
雄々しいビルの屋上の
貯水タンクの下でぼくは死んでいる
湿っぽい空気の中で
外側から内側まで
見苦しくぶよぶよにふやけて
零れたアイスクリームのように
ぼくは
死んでいる


死はいつもそこにあって
死はいつもそこにあって
ぼくはけして死としては褒められたものではないけれど
死はいつもそこにあって
ぼくはさまざまな選択で
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