花言葉四行詩 <9>/nonya
 


さざんか (ひたむきな愛)


ぎこちない言葉をどんなに重ねても

降り積もっていく紅には追いつけない

つないだ手と手のささやかな温もりだけが

行間に溢れる紅を伝えようとする





まんさく (霊感)


丑三つ時の深い闇を音もなくこじ開けて

あなたは不思議な花の香りとともに現れる

その長い爪で私の背中をひとしきり奏でては

その凍てついた瞳で私を黄泉路へと誘う



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