クラクション/m-rod
 
カツカツと鳴るウインカー
中央道
八王子、第一インターを降りたとこで
無作為であるはずのその音が
ラジオCMのリズムと重なる

続く曲は
クロマニヨンズ『スピードとナイフ』
スピードの話、でも僕は
橙色にすすけた街灯の下で
目をこすって停車していた


徒歩の無い駅前ロータリーで
交差する車と車
冷えたコーヒーにいらいらして
指先
4拍子の3拍目でクラクションに触れた

危ないよ
睨みつける
乱暴に奏でるウーハー
打ちつける青いライトに嫌気が差した
消えちゃえばいいのに


そんな風に
一過性の感情で間違えてきたこと
間の意味は
テンポじゃ
[次のページ]
戻る   Point(1)