疎外地区/
Izm
冬の匂いがする
そんな日は
ひとり
あの日の曇り空を思い出す
車のクラクションが
現実を連れてきたら
どうしようもなくて
心が泣く
ねえねえ
ねぇ…
街角に立って
誰も知らないでいて
ひとりになって
もっと もっと
誰も知らないでいて
そっと
切り放していて
今は まだ
眩しい太陽は
届かないままで
高速道路の下に立って
朝の訪れを
ひとりで感じて
肌寒い あの日の感覚を感じて
交差点に
置き去りの
あたしを拐ってよ。
ねえねえ
もっと
遠くへ
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