「∞時間後 人」/ever
 

僕を映し出すその鏡はよく磨かれていた

嫌で嫌で 「大いなる愛情」という焔ですべてを焼き尽くしたつもりだったが

残ったものはまだ膨張の可能性を秘めていた

練りゴムのように都合悪く 白に黒を取り込んでゆくだろう

完成を見ぬまま不安定な成長を続けるそれは いやその様は

ダイヤモンドの形よりもある意味普遍的だった

美しいと叫ぶべきか 否 それは跡付けである

彩色の次第の多さに僕は眩暈がした

世界はこうも豊穣で完璧だが あわれ人の様 多様過ぎる

「人生の収斂と拡散」はブラックホールやそれを造る宇宙のように広大な法則を見せない

ある者はメビウスや円 尻尾を吐く蛇に見立てるが それは「形」という可能性態を超えていた

僕らが銀河系に残したこの「軌道」「軌跡」「法則」は宇宙のどこにも分類できなかったそうだ



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