きょうの天国/あすくれかおす
 
かに落ちて/いないかな/な/ご/み)



「自宅」



なんもない箱だったらな
まだらに絡んだままの洗濯物も
ハードカバーが文庫本の上で
アンバランスにいちゃつくこともなくって
「すべては家主の御心のままに」
忠実な僕のレイアウトは言うけど
快適なレベルなんて
そんなのいまではいらなくて
セーブのできないファミコンみたいに
いつ帰ってきても空き家に戻っていて
ここがいつでも
なんもない箱だったらな


(つづ/りつづ/けること/つづること/しょもうされる/うみと/うみ)


「きょうの天国」



わたアメも猫たちも
ぼくが来る前からフワフワだった
ウニとかクリとかはじゃっかん丸くなっていた
ダービー馬には羽が生えかけており
ぼくは白いワンピースだった
恥じらいながらも
こういうのちょっと着てみたかったというと
地獄のふたがカタカタなりだしたので
あわてて火を止め元栓をしめた
大天使様が
ぽちゃぽちゃのお腹をゆさぶりながら
ご飯ができたよとみんなに言った









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