Arrow/ぼくら/石田 圭太
メリー、
それは細長い
木々の根元から枝の先までがちょうど、
ひかりだけ流れているようにみえた
夢みたいな夜
ぼくらは産み落とされて
地図だけを持たされていた
しずかに痛みながらも
冒険はとっくに閉ざされていて
どこで生きるべきか、
も知らないから
新しい白紙を求めて
アロー、
そうずっと
浮かれたかっただけさ
あるものにも、ないものにも
平等に、ほら
言葉は届けられてくるから
ぼくらっていう
そんなちいさな空想を
信じてみたくなっただけさ
きれいなままの眼球で
視神経を焼くImageをする
という幸福に気付け
ともすれば
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