病室/いねむり猫
やかな繰り返しの時間を
ただ 無駄にむさぼったために
わたしが ほんのときどき 正気に返る
その瞬間の それでも 自分のためだけの懺悔を
あなたが 微笑ながら黙って聞いていた
この私の深い罪を
償う方法など あるはずもなく
わたしこそ 病魔に食われてしまえばよいのだ
あなたこそ 日の光の只中で 幸せで静かな時間を
好きなものだけに囲まれた 穏やかな時間を
ずっとこれからも過ごさなければいけないのに
時が 過ぎてゆく
大切な 残された時が
わたしが 嘆いているこの時も
あなたは ベッドの上で 力なく 私に手を差し伸べてくれている
わたしは ただ あなたの手を
おしい抱いて
あなたを見ることができない
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