空以外の空/
あおば
た顔でギラギラと輝いて
真空管を抜き取られ
鳴ることもなくなった
古い無銘のラジオの
ダイヤルを照らしてる
内側の文字は読めないが
放送周波数が記してあるのは
分かっている
分かっていても
読めないのは
なんだか不便だ
使えないラジオでも
ダイヤルの数字が読めないのは
なんだか不便だ
不憫なヤツだと
笑ってくれるな
そこにいる底抜けに明るい
だれかのおっかさん
空色の空が
目を逸らして
笑っている
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