半端な命は下水管で腐敗するんだ/ホロウ・シカエルボク
不死のまぼろしに怯えた昼下がり、食いかけたドーナツを駐車場のゴミ箱に破棄して
敷地の終わりの公衆便所で泣くように吐いた、意識は未消化のパン生地みたいで
流しても流してもどうしても流れないものが和式便器の片隅でここだと叫んでいた
忘却のような体温の低下、ぶるぶると震える身体は衰弱のリズムを刻んだ
俺はあらゆる苦しみを無きものにする仕様ではない、胃袋を押し広げるほど―胃袋を押し広げるほど抱え込むから
細胞がひび割れる音をいつもどこかで耳にしている、破損、破損と叫ぶ声が聞こえる
嘔吐の後に見る夢の中身はいつでも同じだ、それを覚えていることは決まってないけれ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)