東京の風、光、音/
吉岡ペペロ
三鷹をすぎると
一軒家なんかも見えたりした
ビルやマンションのあいだに
空も架かりはじめていた
寄り添うことのできなかったひと
引きずっている訳ではない
じぶんを慰撫するために
じぶんを出し入れしているだけだ
有限世界のなかで
パラレルな無限世界を夢幻している
足るを知らないオレがそこにいる
東京の風、光、音、
打ちっぱなし場が向こうに見える
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