馬/
KETIPA
今度は枯れ草の飛び去る音が聞こえたのだ
あそこの牧草地が 気だるそうに
羽にいたってはもう風に飽きたらしく
やる気を失くして路肩に寝そべっている
こんな時に喝を入れた蒸気が天地を騒がせた!
糞をしたのだ
そう馬! 馬が
この世のものとしか思えない
あくまで冷徹に振舞う知識人をよそに
熱気が
寸断された大気と動物の
触媒になって
眼ん玉を弾くような矢印が四方に放たれたので
顔を背ける
それは人間が生物を辞めて丁度十二日目の午後。
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