創書日和「かがみごし。」/
狠志
僕がそこに見える気がして、手を伸ばした。
けれど、そこには手が届かなかった。
触れることが叶わなかったから、喋りかけてみた。
口が動くのは解ったけど、聞き取れなかった。
僕はそこをずっと見詰めてみた。
ずっと、じっと、見詰めてみた。
ふと、
彼が、僕を見詰めてる気がした。
急にそれが怖くなって、僕は。
僕は、彼を殺そうと銃を取った。
撃った。
そこに、彼は倒れていて。
僕は、そこに居なかった。
[グループ]
戻る
編
削
Point
(1)