地図の切れ端/秋也
 
切れ端みたいなものだよ
それは貴方であり
私でもある
片刃が錆びたハサミで
切り離され
記憶
穏やかに
眩く
公園のベンチ
二人で
手をつないで
楽しそうにブランコを漕ぐ小さい子に
見惚れていた
「俺もああだったよ」
飽きず
飽かず
いつまでも
寄りそって
大好きだから
切れ端みたいなものだから
「忘れていいよ」
笑えたことが楽しかった
最後に泣いてくれたことが嬉しかった
全部大切だから
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