ダジャレシャン/桜 葉一
 
  」

「傘が重なった!
 ……今、七丁目の野村さんちで傘が重なりました
まっここからじゃ確認できないんですけどね          」

彼のダジャレは非常に寒かった
しかもマジックが成功してるのかすら分からない
という最悪なものだった
当然 観客から苦情の嵐がきた
しかし彼は動じない

「ワラが笑った!……今――
馬が埋まった!……今――
カエルがかえる!(これには帰る、孵る、買えるがかかっている)
 ……今――」

呆れ始めた観客はぞろぞろと帰り始める
焦った彼はこう言った

「下手なシャレは止めなしゃれ!」

その瞬間彼はダジャレが言えなくなった。

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