難解冬迷宮我/
AKiHiCo
街は聖夜祭一色で
活気立つ人々の群れに
わたくしは呼吸を顰め
冷たい空気を視るのです
ひとつふたつの声は
ざわめきと為って
天空に渦を作り消えてゆき
悴んだ指先で触れたものは
他人の冷たさか己の夢か
わたくしは宛ても無しに
歩いて何処へゆけばよいのでしょう
誰かこの鈍色の空の許
わたくしの名を呼んで下さい
鏡が割れる音
痛くて涙が零れそうに
為るのです
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